日清戦争後に有坂成章大佐を主任者として開発され制式採用された三十年式歩兵銃は、機関部の構造が複雑なうえ、分解結合の際にファイヤリング・ピン(撃針)が折れる故障が時折発生した。日露戦争では、設計当初の想定以上の厳しい気候風土で満州をはじめ中国大陸の戦線で使用してみると、前述の故障に加えて大陸特有の細かい砂塵が機関部内に入り込み、作動不良を引き起こした。そこで、機関部の構造を簡素化しボルト(遊底)と連動するダストカバー(遊底覆い)を着ける等の改良を行った。このボルト(遊底)とダストカバー(遊底覆い)は製造番号が一致していれば問題は無いが、一致していなかった場合はカタカタと金属音を立てることがあるらしい。ただし、これは現場レベルで解消することが出来る。大陸では、防塵効果があり多少有効であったようであるが、南方では、遊底部に入り込んだ泥を排除するのに邪魔になり、不具合が多発したといわれる。
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