このサンガ法ではまずサンカラートの下に立法機関(長老会議:マハーテーラサマーコム)を置き、その下に行政機関を置く上下一本の関係で構成されている。長老会議は、サンカラートによってソンデットの位を叙せられた高位の僧とサンカラート自身によって構成されている。また終身制であったサンカラートの地位を国王によって剥奪出来るようにした。国王とはいうものの、内閣が国王の行為を管理できたため、事実上はサンカラート(つまりサンガ全体)は政府の管理下に入ることなった。
20世紀後半に入ると、科学の発展に従いタイ人一般にも新たな価値観が生まれた。これに対応するように、同じような考えを持つ僧同志が集まって一種のコミュニティーを作り出した。以下に主要なものを挙げる。
プラ・プッタタートの運動
チャイヤーにワット・モーカーパララームと呼ばれる本拠地がある。このコミュニティーを作ったのはプラ・プッタタート(1906年-1993年)で原始仏教の修行形態を重視し、質素な生活を特徴としている。その思想は既存の仏教理論に批判を加え、ブッダの唱えた「純粋」な教えをリバイバルさせようと言うものであるが、一方で一般に上座部仏教には見られない空の思想をも展開している。一部で異端視する考えもあるが、プラ・プッタタートの一日一食の禁欲的生活はコミュニティー外からも尊敬を集めていた。彼の本は何回も版を重ね死後の現在でも刊行されている。
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サンティアソーク
サンティアソークとは「静寂のアショーカ」と言う意味である。プラ・ポーティラックという僧によって創設された。タンマユットニカーイで出家するも、飽きたらずマハーニカーイで再出家するが、ここでも飽きたらず、自らサンティアソークと呼ばれる禁欲的なコミュニティーを作った。その仏教実践は禁欲を特色とするが、政界への進出など政治色も強い。サンティアソークの作った政党にパランタム党があるが、タイを本格的な民主化に導いたチャムロン・シームアン旧バンコク都知事がこの党に所属し、プラ・ポーティラックの支持者であったことから話題を呼んだ。ちなみに元首相のタクシン・チナワット警察中佐も元はパランタム党の出身である。プラ・ポーティラックはあまりにも言動が過激であったためサンガから強制還俗処分に遭っている。
タンマカーイ
ワット・タンマカーイに本拠地を置くコミュニティーで、故プラ・モンコンテープムニーが創設した。瞑想を最重視する。日本人僧も多い。
この他、ワット・タムクラボークなどに見られるモン族難民の受け入れに代表されるような慈善運動や、地域の開発など、以前の様に宗教的な行為だけでなく、社会的な運動に力を入れる傾向が大きくなっている。